飼育の歴史
スッポンは、今から260年程前の「嬉遊笑覧」という書に
「元禄七年草子、誰袖海に京人江戸に下り居たる処 すっぽんもくいならい」
うんぬんとあってその当時は下賤の食物とされていたのに、
その13年後経った正徳3年出版の「和漢三才図会」には、
「九州人嗜レ 斃肥前特好レ 之肉裙煮レ 之則柔如鯨皮味甘美也」とあって
美味いものとされていることがわかる。
その100年後程してから養殖されるようになった。
明治12年(1875年)に初代服部倉次郎氏が池沼2ヘクタールを利用して
金魚、鯉、鰻と共に養殖したのがスッポン養殖の始まりである。
分布と生態
分類上の位置
脊椎動物 Vertebrata
爬虫綱 Reptilia
無弓亜綱 Anapsida
カメ目 Testudinata
スッポン科 Trionychidae
スッポン属 Trionyx
スッポン T.Sinensis japanicus
スッポン類は欧米大陸やアジア大陸に生息している。
特に、中国大陸にはシナスッポンが多く生息している。
形態
総体的には、普通の亀と似ているが、各部分についてみると相当な違いがある。
先ず、背甲が円形に近く、平たく、ただ中央の線にそって僅かに凹溝があり、
その両側はやや隆起している。またねこの甲は柔軟な皮ふでおおわれている。
甲の色は、養殖ものは青黒っぽく、天然産は茶色っぽいか緑色に近い。
スッポンの良否の見分け方の一つとして光沢の如何にもあるといわれる。
即ち、黄金色をしたものが最優良で青白色のものは下等とされる。
雄雌の外見上の区別は・・・
雌
尾が短くて甲外に露出しない
背部は円くて厚い
体全体が比較的に厚い
後肢間が広くその間の軟甲は十字形をしている
雄
尾が甲から露出する
背部が隆起して薄い
雌と比べて体が薄い
後肢間は狭く軟甲は曲玉状をしている
生態
スッポンの習性はなかなか面白い。水槽に入れて眺めていると非常に愛嬌のある動きをするが、
これほど臆病で猜疑心の強い動物は少ない。
絶対といってよいほど人前で餌を食べることはしない。
つまり、なれることはない。
そのくせ非常に闘争心は旺盛でふ化して間もない仔スッポンでも噛み合うくらいである。
日中暖かいときは水中から這い上がって岩や砂の上に並んで、時にはお互いに重なり合って
甲羅干しをする。
然し、一寸でも物音がしたり、人の気配がすると一目散に水中に逃げ込むが、
その行動は想像以上に速い。
また、よく噛みつくが、一寸やそっとでは絶対に離さず大型のスッポンに噛まれたら指を
切られてしまうことがある。
噛みつかれたら直ぐに水中にスッポンごと指を突っ込む
とスッポンは安心して指から離れる。